2021年12月13日

ハムスターの前歯

久しぶりの更新になってしまいました困り
今日はハムスターさん[]

「鼻の横に白いできもの?があって、周りが赤くなってるんです。」

ということで御来院。

どれどれ…

おや?

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たしかに左の鼻の脇に、白いものが。
最初話だけだと、ヒゲの根元の膿かなと思いましたが、
なんか、こう、違和感。
あまり見慣れない場所に見慣れない形。
とりあえず、ピンセットで…

(ああ、これは…)

正体は、


上顎の、前歯でした。


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高齢のハムスターには比較的ありがちな、

「過長症」。

障害歯が伸び続けるハムスター。
高齢で歯の質が劣化したりで噛み合わせが悪くなると、伸び続けた歯が、

クルッ

っと回ってしまいます。
場合によっては上顎を突き抜けて鼻の中まで穴が開き、そこから感染することも。
幸い、この子は上唇を貫いてただけでした。

皮膚病かと思ったら、全然違った。
小動物にはありがち。

みなさんも、おかしいなと思ったら、一度病院で診てもらってくださいね顔1(うれしいカオ)きらきら



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posted by オレンジ獣医 at 20:20| Comment(0) | 日記

2021年11月04日

フード選びは適切に

こんにちはー勝ち誇り
今日もいい天気太陽きらきら

さて、突然ですが、
皆さんは動物のフードを、どんな基準で選んでますか?また、それをどこで買ってますか?
動物病院?量販店?
多くの方は、最近はインターネットや通販サイトでお求めかと。

で、その時に、

「安易に高いフードを選ばないでください。」

と言いたい手(パー)‍♂️


何言ってるの?とお思いかもしれませんが、
これには訳がありまして。

10年ぐらい前から、ペット産業に通販の流れが入り、本来であれば病院でしか買えないはずのフードや薬まで流通されるようになりました。
飼い主さんに広く行き渡るのはいいことだけど、反面、誤った選択・使用が爆発的に増えました。
そして、今度は、
コロナ禍で、ペットフードはじめ実にたくさんのものの流通が滞り、今まで利用していたフードが手に入りづらくなり、それを逆手にか、
「これだけで大丈夫。奇跡のフード」
みたいなものが出始めて。
商魂たくましいというか何というか…

もちろん、‘いいもの’は、それなりの価格になります。
それは、原材料が確かだったり、成分が長年研究されていたり、製造工程がしっかりしていたり。それなりに理由があるはずです。

が、
正直、
(そんなにお高くなくても…)
と思うものも。

僕が飼い主さんにフードをお勧めする時に大事にしていることは、

栄養組成…当たり前!
嗜好性…食べないフードあげてても無意味!
価格…高くて続けられないなら、無理!
継続性…販売終了とか、困る!

です。


食物アレルギー以外の皮膚病は、程度は軽くなれるど、食事療法だけでは治りません。
ちなみに、食事療法の対象疾患は、
・食物アレルギー
・尿石症
・蛋白漏出性腸炎(IBD)
・肥満
・栄養失調

です。
あとの疾患は、フードはあくまでも補助。

こう書いていると、なんだかフードの選択に否定的と思われそうですが、そんな事はないです。
特に皮膚病の場合、多くの子が栄養改善でかなり良くなります。
ただ、最近、あまりにも
「これを食べていれば、健康になります」
系のフードの宣伝が目に余るので…。

食事由来の病気や健康悪化の場合、
食事を変えたら、成果が出るまで3ヶ月は続けてください。

フードを選ぶときは、
【原材料・成分組成・製法】
を元に、かかりつけの獣医師に相談してください。

「いい」フードを選んで、健康な生活をおやゆびサイン

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posted by オレンジ獣医 at 12:59| Comment(0) | 日記

2021年10月30日

尽くして 思うこと

こんばんはー勝ち誇り


今日は、ちょっとつぶやきを。


僕は、町の小さな病院で、一次診療に携わっています。

当たり前ですが。そこでは毎日、皮膚科だけでなく、下痢吐き、心臓病、腎不全から、骨折、がんなど、ありとあらゆる動物の、さまざまな診療をしています。

その全てが命のやり取りで、時には、一分一秒を争う緊急の事態にも直面します。

その時は、なんであれとにかく、目の前の命は消したくない。ほとんど「考える」ことなく、頭と体が自動的に動いて、持てる限りを尽くしてます。

なんというか、全力疾走のような。

けど、走りきって終わりじゃなくて、むしろ新しい課題があって。


しばらくしたらまた同じ危機に瀕するかもしれない。今までどおりにしなければ納得できない。よかった、と思えない。


正しいとか間違いとかではなく、単に自分の気持ちの問題なんですが。


「ありがとうございました」


と言われるほどに

胸がつぶれそうになります。



今日もひとつ、

ギリギリで踏ん張った命を、一度お家にお返ししました。

再び生きる力を取り戻してくれることを願います。



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posted by オレンジ獣医 at 23:44| Comment(0) | 日記